Illustration by 上田 粋
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知っておくべき前提1
高校までは、決まった科目、決まった授業を受ければよかったですが、大学では違います。自分の関心や興味に合わせて、学ぶ内容を自分で考えないといけません。
また、高校と大学の大きな違いは、「研究があるかどうか」です。高校までは教わったことを身に付ければOKです。でも、大学では教わったことを活かして研究を行うことで「新たな技術を作ったり、自然法則を発見したり」する必要があります。
ただ、この「研究」とやらが想像以上にクセモノなのです。
知っておくべき前提2
いかなる理系大学生も一度は必ず経験するのが、「研究マジ無理!」問題です。
概ね、どの大学も4年生になると研究室とやらに配属され、卒業研究といういばらの道がスタートします。
ただ、それだけ聞いても、
研究....マジ無理.....
になる理由がまだまだ分からないですよね。理由は簡単です。
ただただ、この「研究」とやらが想像以上にクセモノなのです。
研究には授業でやっていない内容が、これでもかっていうくらい含まれているんですよね。結果「何から取り組めばいいかサッパリ分からない状態」に追い込まれてしまうんです。
ただそれだけです。でも、高校生のアナタならきっとこう思うはずです。
理系大学生あるある その1
理系大学生あるある その2
まぁ、大学生の大半も一度はそう思います。でも、実は知っておかなければならないことがあります。
それは、大学は「研究する同志が集う場」だということです。授業はその準備体操に過ぎません。
つまり、研究室に配属されたら教授もアナタも「同じ研究を志す仲間」になります。もちろん教授は初心者のアナタにいろいろ教えてくれると思いますが、それはあくまで「後輩に教えている」に過ぎません。
そう。研究室配属後は、
自ら勝手に学んで 一緒に
研究する
が普通なんです。
課程制への想い
「研究マジ無理!」になる理由はなんとなく分かったかもしれませんが、同時にこう思ったはずです。
それ、どうにかなんないの?
もちろん大学もそう思っていました。でも、なかなか重い腰が上がりませんでした。いつの日も改革は大変なのです。
でも、そんなことを言っていたら何も変わりません。いよいよ芝浦工大はやってやりました。工学部一致団結です。いままで誰もが当たり前だと思っていた前提をぶっこわして「学びの仕組み」を変えてみました。
そんな想いで作った課程制にはさまざまなポイントがあります。ここから具体的に紹介します。
課程制で学ぶと
実は、現代の工学系人材として求められていることは、いままでの学科制では身に付けづらくなってきているんです。
これからの課程制で学ぶことで、いま社会に求められている工学系人材となることができます。
自身のコース以外の科目も履修するので、分野を横断した知識を得ることができます。さまざまな専門性を持った人たちと関わり協働することは、社会に出てからも求められる力です。
課程制で身に付けられること1
課程制で身に付けられること2
他の分野や社会との関わりを幅広く見渡すことて?、「そもそも何か?問題なのか」という本質を見抜く力を養えます。目の前の課題を解決するだけではなく、新たな課題を発見できる。そんな真の課題解決力を高めることができます。
従来より1年早く、3年生から卒業研究に取り組みます。「知識だけ」では太刀打ちて?きない社会に求められる力を、2年間かけてじっくり鍛えることができます。
課程制で身に付けられること3
課程制のポイント1
大学のいいところは「まったく違うジャンルの専門家がすぐ隣にいる」ことです。これを活用しない手はありません。
ですが、学科制の大学で普通に生活していたら、自分の学科以外の専門家を知る機会も、相談に行くチャンスもありません。これは非常にもったいないです。
そこで課程制では「隣人を知り、隣人に学ぶ」さまざまな仕組みを導入します。
まずは「工学全体や自分がこれから学ぼうとしている分野」が社会や他の分野とどう関わりがあるか?を知る必要があります。話はそれからです。
ということで、「社会や他の分野との関わりを学べる科目」として新たに「社会の中の工学」という必修科目を作りました。
隣人を知れちゃう その1
隣人を知れちゃう その2
社会や他の分野との関わりを学んだら、今度は「どんな隣人がいるか?」知りたくなりますよね!
ということて?、「隣人がどんな研究をしているのか?を学べる科目」として新たに「工学研究探訪」という必修科目を作りました。
いよいよ他の分野のことが学びたい!と思った時に「この分野を学びたいなら、とりあえずこのセットで学びなさいな」と示してもらえないと、何から学んでいいか分かりませんよね。
ということで、各コースの中に「テーマにもとづいた授業(学修)セット」として「分野別科目群」を用意しました。
隣人を学べちゃう その1
隣人を学べちゃう その2
「留学って海外だけでしたっけ?隣の部屋でもいいよね」ということで、「お隣の研究室に留学して、ガッツリ学ぶ仕組み」として「学内研究留学」の制度を作りました。
課程制のポイント2
研究は日々進化しているので、どんどん難しくなる一方です。なので、どうあがいても一度は「研究マジ無理!」になります。
だったら早いこと「研究マジ無理」になった方が「し?ゃあ、アレを学ぼう」のチャンスが増えますよね。
ということで、研究を始めるタイミングを
1年前倒しにしちゃいました。
課程制のミソ
いろいろと工夫をこらした課程制ですが、必ずしも「さまさ?まな分野を学ばなければならない」というわけではありません。
1本の刀を研ぎ澄ますかのように「ひとつの分野をひたすら極める!」という学び方もて?きます。
課程制での学び方には概ね3つのパターンがあります。
学び方パターン1
ひとつの道を極める
ひとつの専門分野をとことん深く極めて、自コースで完結させるパターンです。
学び方パターン2
二刀流を目指す
分野別科目群と学内研究留学を特定のコースで取り切り、二刀流になるパターンです。
この場合、副コース認定がもらえます。
学び方パターン3
多分野をいろいろ学ぶ
さまさ?まなコースの分野別科目群や学内研究留学を取って、幅広い応用力を手に入れるパターンです。