芝浦工大教育イノベーション推進センター
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学生の視点で広がるSCOTの活動41. FD(Faculty Development) 教育組織及び教員が主体となっておこなう教育改善及び教える技術や方法の向上?開発などを目的とした組織的な各種取り組み2. SCOT生 半期の研修を受講し、SCOT登録が許可された学生3. 期 4. ScombZ(スコーム) 授業情報や学生に向けた情報用の学内ポータル。5. イヌバラ法 コミュニケーションの訓練手法のひとつ。犬と植物のバラのような、人間以外のものになってロールプレイングを通じて体験する手法。座学研修の2回目で体験する。SNS導入の経緯田中:今回、ここ数年では最多の15名の研修生が集まる快挙となったわけですが、この成功の要因をぜひお聞かせいただきたいと思い、集まっていただきました。広報で中心的な活動をしていただいているOさんとXの「ナカの人」代表としてTさんからご紹介をお願いします。Tさん:SCOT23期生3のTです。今年の広報と、研修生との全般にわたる取りまとめを担当しています。SCOTに入った理由は、教職の授業で先生がSCOTの活動を紹介してくださっていて興味を持ったからです。田中:まずは、広報の手法を変えた理由からうかがいたいと思います。Tさん:SCOTの活動を広めるためというより「まずは知ってもらう」ことが大事と考えて、認知度アップをめざしました。実際の運用にあたっては企画広報課のSNSに詳しい職員の方に、いろいろ教えていただきながら進めました。田中:Xの投稿に対する反応が良かったですよね。これは学生に響くメッセージが繰り出されていたということでしょうか?Tさん:そうですね。特に、投稿のタイミングは意識しました。学生には授業関係のお知らせやサークルの案内などが大量に流れてきます。授業時間など、学生が忙しい時間に流れてきていてもすべてをチェックするということはしませんよね。そこで、特に昼休みを狙って、ScombZ(スコーム)4とXを連動させるなど工夫しました。田中:開始時期も絶妙でしたね。Tさん:SCOT勧誘のメインターゲットは1年生なので、入学前の不安を抱える学生にアプローチしていくことが必須と考え、「春から芝浦」をキーワードにSNS開始の準備をしました。おかげさまで、1年生に限らず、多くの学生に見ていただいています。Nさん:部活動などで、本当に数多くのSNSが流れてくるなかで「春から芝浦」は注目されたと思います。Tさん:流れとして、X単体ではなく、別のもの、たとえばScombZStudents Consulting on Teachingの頭文字をとったSCOTは、研修を受けた学生スタッフが、教員の要望により、大学の臨時職員として授業改善に向けたコンサルテーションをおこなうFD1活動です。2025年春現在で、SCOTをおこなっているのは、日本国内では芝浦工業大学(以下本学)と帝京大学等に限られており、本学では、ここ数年、SCOTに参加しようという学生が減っていることが大きな課題となっていました。手詰まり感を醸していた教職員スタッフに対して、SCOT生2より、「SNSを開設させて欲しい」との要望があり、検討の結果、2025年3月に本学SCOTとして初のSNSをX(旧Twitter)で開設しました。この座談会は、SNSの仕掛け人であるTさん、Oさんと、 Nさん、Mさんの4名にお話をうかがったときのものです。聞き手はSCOTスタッフ教員の田中です。SCOTは半期ごとに研修を終えて正規メンバーとなるので学年や入学年度ではなく研修期を使う。2025年春学期は27期。23期は2022年春学期となる。などの合わせ技で情報を出していったことが効果を高めたかなと思いました。Oさん:Xを始めたことで、SCOTという名前を知ってもらえたのは良かったと思います。SCOT研修は春学期開始時と秋学期開始時の年2回しか募集をしないので、常にアウトプットしていないと忘れられちゃう。田中:SNSの成功の裏側の苦労や、水面下での準備などを聞かせていただけますか?Tさん:21期のメンバーがとりまとめをしていたときにOさんと話し始めました。とにかくSCOTの認知度が低い、と。そこで、24期、25期のメンバーと話し合いながら、活用できる機会をすべて洗い出すことからはじめました。たとえば、事務系ガイダンスは、動画とパンフレットを提供しています。特に、パンフレットは会場に入ってきた人が全員手に取ってから座っていることをみると、認知度を上げる手段として一定の効果が期待できます。また、毎年、教職ガイダンスでSCOTの話をさせてもらっています。今年度は、2年生の教職の複数の授業で話をさせていただきました。このほかにも、ScombZで案内を出したり、学生の集まる大学会館や学食にチラシを貼ったり、ポップを立てたりしました。タイミングが大事田中:ScombZでの案内やチラシの配付は毎年行っていますが、今年は研修生が飛躍的に増加しましたね。このあたりはどのような工夫があったのですか?Tさん:ずばり、タイミングですね。授業が始まってしまうと授業で忙しくなってしまうので、授業開始前に研修生を早めに獲得してしまう。特に、春から大学生活に入る新入生は、情報が欲しくてうずうずしているからXに積極的に情報を出していく。Nさん:そこまで考えていたんだ!Tさん:情報発信については、季節的なタイミングだけでなく、時間的なタイミングも考えました。XとScombZのタイミングが同じになるようにすること。つまり、複数回にわたって情報に触れていくことで、なんとなく興味を持ってもらえるようにねらいました。また、これが大事なんですけど、受け手のことを考えて、案内は昼休みに発信するようにしました。Nさん:実際、自分も昼休みだから見た。授業をやっている最中に流れてきても見るわけにはいかないし、そうこうしているうちに他の情報が流れてきて情報の大海に消えていく…SCOTで得たもの田中:文章もすべてSCOT生たちで考えてくれましたね。このあたりを含めた「受け手に届く」広報戦略の発想の原点はどこにあるのですか?Tさん:受け手のことを考えたコミュニケーションについては、大学に入ってから見えてくるようになったもののひとつですね。常に考えるようになりました。SCOTメンバー座談会

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