カリキュラム

新しい技術に対応する
基礎学力と創造力を身につける

電子デバイスなどのミクロな世界から、ロボットや情報システムなどのマクロな世界までを扱う電子工学を探究する学科です。電子工学の先端分野の研究に取り組みます。電子工学の基礎となる電気回路、電磁気学から、より高度な専門知識へと学修します。

1年次 物理?化学?数学と電子工学の基礎を学ぶ

●主な科目
電磁気学1/電気回路1?2/電気数学1?2/電子工学一般

2年次 電子回路、電子物性の基礎を学ぶ

●主な科目
電気回路3/電磁気学2?3/電子材料基礎/電子物性基礎/アナログ電子回路1?2/ディジタル電子回路/電子工学基礎実験/電子工学製作実習

3年次 電子工学の専門科目を学ぶ

●主な科目
信号処理回路/情報伝送回路/制御工学/集積回路工学/音響システム/半導体工学?電子デバイス工学?電子材料評価論/電子工学コース実験1?2

4年次 研究室に所属して卒業研究を行う


授業紹介

電子工学①
電気回路1?2
電子工学を学ぶうえで重要な基礎理論の一つです。直流回路から始め、交流における基礎理論を順を追って理解し、さらに共振回路や二端子対回路について学んでいきます。
電子工学②
電子回路
エレクトロニクスの基礎であるアナログ?ディジタル電子回路の理論を学びます。電子回路の動作原理を学び、新しい素子に対応して回路設計を行うための能力を修得します。
電子工学③
電子工学コース実験1?2
身につけた基礎知識を実践活用するために、組込みコンピュータなどの専門分野に関する実験を行います。レポート作成などを通じて、結果を考察?報告する能力を高めます。

研究テーマ例

移動?飛行ロボットで被災者を支えるための「ロボットアイ」の開発
画像処理?ロボティクス研究室:プレーマチャンドラ チンタカ 准教授

移動?飛行ロボットにカメラとセンサ類を搭載して、ロボットに視覚機能と情報解析能力を持たせる技術である「ロボットアイ」の開発を行っています。ロボットが災害地などを移動?飛行しながらデータ収集を行い、得られたデータを解析することで現場の状況を分析します。得られた情報をレスキュー隊などへリアルタイムで無線伝送することで、被災者を効果的に支援することができます。
移動?飛行ロボットで被災者を支えるための「ロボットアイ」の開発1開発したロボットアイ(左)と、搭載した空陸両用ロボット(右)
移動?飛行ロボットで被災者を支えるための「ロボットアイ」の開発2空陸両用ロボットの開発風景

海外との活動事例

日本とタイの学生による電子工学システムの共同開発PBLプログラム
電子機械システム?集積光デバイス?生体電子工学研究室×タイ/キングモンクット工科大学

タイのキングモンクット工科大学電子通信工学科と本学科の学生が、マイコン、センサ、生体信号、光、音、制御、通信をキーワードにシステム開発に取り組みました。学生間で深い協力関係を築きながら、両国で2週間ずつ共同作業を行います。電子工学の知識だけではなく、英語でのコミュニケーション能力が養われます。
日本とタイの学生による電子工学システムの共同開発PBLプログラムPBLプログラム参加者の集合写真、本学科10名、タイの学生10名が2週間の共同作業を行いました

卒業研究の例

水素化アモルファスシリコン導波層を有する光アイソレータの研究

光通信システムにおいて、非相反な特性を有する光アイソレータは、半導体レーザの発振安定のために必要不可欠な素子です。近赤外領域では、光吸収損失が小さく、かつ大きな磁気光学効果を示す磁性ガーネットを用いて、光アイソレータは構成されます。磁性ガーネット上に成膜されるa-Siを導波層とする光アイソレータを提案し、素子の設計?試作?評価を行います。
水素化アモルファスシリコン導波層を有する光アイソレータの研究
この研究の応用先
インターネットを介した動画配信の増大や、スマートフォンの急速な普及に伴い、通信容量は年率20%を超える勢いで拡大を続けています。光ファイバ通信システムにおいて重要な構成要素である光非相反素子を導波路構造で実現し、将来の光電子集積回路の構成素子を開発することをめざしています。

ブレイン?コンピュータインターフェース(BCI)の開発

脳波や脳血流などで計測した脳活動からヒトが「何を考えているのか」を読み取る、また逆に外部から脳活動を整えて脳の働きをより良くする、つまり脳とコンピュータの橋渡しをするための技術であるブレイン?コンピュータ インターフェース(BCI)に関する研究を行っています。BCIにより、手足を使わずに「思っただけ」で機器を操作できる世界がやってきます。
ブレイン?コンピュータインターフェース(BCI)の開発
この研究の応用先
BCIは、交通事故などによる重篤な四肢麻痺の患者さんに、自分の意思でキーボードを使用したり、思い通りに電動車イスを操作したりするなどの手段を提供します。また、脳疾患の患者さんの脳機能を回復させるためのリハビリテーションの手段としても期待されています。外からはわかりにくい心理的なストレスを検出して低減するなど、健常者にとっても重要な技術です。