平田碧生さんが第39回 日本TDM学会?学術大会で学生優秀演題賞を受賞
- 応用化学専攻
平田 碧生さん(理工学研究科/応用化学専攻修士 1年)
【指導教員】
吉見 靖男教授(応用化学科)
Aaryashree准教授(先進国際課程)
【学会?大会名】
第39回 日本TDM学会?学術大会 近未来のTDM、次世代のTDM
【賞名】
学生優秀演題賞
【発表題目】
分子インプリント固定カーボンペーストを用いた使い捨てセンサの感度保持に関する研究
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【研究目的】
バンコマイシン(VCM)は、院内感染症の治療によく使われる抗菌薬ですが、与えすぎると腎臓を悪くします。しかし、それを怖れて少なめに投与すると薬の効かない耐性菌ができて、ますます治療が難しくなります。安全で確実な治療をするために血中のVCM濃度を厳密に管理しながら計画的にVCMを投与する薬物治療モニタリング(TDM)が推奨されています。しかし、現状では、検査室に血液サンプルを出して、VCMの濃度データが得られるのに数時間かかるため、有効な投与計画が立てられているとはいえません。そこで私たちは、VCMの構造を記憶させたカーボンペーストを用いて、血中VCM濃度測定を秒単位で測定できるセンサチップを開発しています。
【研究内容】
今まで、PETフィルムを貼り合わせた基板に、カーボンペーストを充填してセンサを作っていましたが、感度が失われました。そこで既製品のセンサにカーボンペーストを塗る方法に変えたところ1週間経っても安定して測定でき、血中VCM濃度も測定できました。
【今後の展望】
このセンサは1分以内で簡単に血中VCM濃度を測定できます。このセンサを使うことで検査室に頼らずリアルタイムな血中濃度が分かりますので、より有効な投薬計画が立てられます。さらにこのセンサは、非常に安く生産できます。このセンサを発展途上国に輸出し、低コストでできるTDMを普及させれば、耐性菌の蔓延というグローバルな問題も解決できます。
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