宗房幸太さんが日本金属学会関東支部 第20回ヤングメタラジスト研究交流会にて優秀ポスター賞を受賞

2024/01/15
  • 応用化学科

受賞者
宗房 幸太 さん(応用化学専攻 2年)

指導教員
大口 裕之 教授(応用化学科)

学会?大会名
日本金属学会関東支部 第20回 ヤングメタラジスト研究交流会

賞名
優秀ポスター賞

発表題目
赤外レーザー蒸着法による単相LiHエピタキシャル薄膜合成と元素置換

munehusa
研究目的

エネルギー応用を目的に、「水素ならでは」の興味深い物性が注目を集めている金属水素化物を厚みが非常に薄い薄膜として合成する研究を行っています。水素は原子番号が1であることに由来してユニークな性質を持ちます。そんな水素と金属が結合して得られる金属水素化物には他の元素では成し得ない多彩な機能が表れます。そこで、魅力的な金属水素化物を私たちにしかできない独自の手法で薄膜化し、金属水素化物の物性研究やエネルギーデバイスへの展開を拡張しようと考えています。

 
研究内容

エピタキシャル薄膜と呼ばれる単結晶薄膜は物性研究やデバイス展開に最適なプラットフォームを与えます。このエピタキシャル薄膜を多くの金属水素化物で実現させるために、活性の高いラジカル水素を利用した新しい合成手法を開発し、代表的な金属水素化物LiHを対象に高品質薄膜の合成に取り組みました。さらにこの新手法が金属水素化物の物性開発研究に適用できることを示すために、潜在性を引き出す汎用的手法の一つである元素置換に挑戦し、Liイオンの伝導率を向上させることにも成功しました。

 
今後の展望

2019年に報告された超高圧下における水素化物超伝導体をきっかけに、金属水素化物の物性研究は活発化しています。私たちの薄膜合成のような高圧を必要としない手法が確立された先には、日常生活では実現不可能な高圧条件でしか得られない水素化物超伝導体を常圧で創出し、実用化へと進出できることを期待しています。