石崎貴裕教授(工学部)が日本マグネシウム協会にて技術賞を受賞

2024/06/21
  • 工学部

受賞者
石崎 貴裕 教授(工学部)


学会?大会名
日本マグネシウム協会

賞名
技術賞

発表題目
蒸気コーティングによるMg合金の高耐食化技術

ishizaki

研究目的

マグネシウム合金は軽量性に優れているため、輸送機器類の部材や持ち運び可能なPCや携帯電話等の筐体への適用が期待されているが、化学的な反応性が高いため、腐食し易いという欠点がある。このため、表面処理により耐食性を向上させている。従来、化成処理や陽極酸化処理が主要な表面処理技術として活用されてきたが、試薬等を利用するため、環境負荷が高い。このため、低環境負荷の表面処理技術の開発が求められていた。本研究は、水蒸気を利用して、試薬等を使用せずに耐食性を有する皮膜をマグネシウム合金に形成させる技術を開発することを目的としていた。


研究内容

水蒸気とマグネシウム合金を反応させることで、耐食性を有する保護皮膜をマグネシウム合金表面に形成させる技術を開発した。本皮膜は、優れた耐食性を示しており、例えば、AZ31合金に皮膜を形成させた場合、JIS H 8502に準拠する336hの複合サイクル試験後でも腐食生成物の形成は認められなかった。本技術は、複雑形状の部材やメートルスケールの大型部材への適用も可能である。

今後の展望

企業等との共同研究や国プロを利用して、社会実装できる技術に発展させていく予定である。具体的には、輸送機器等や小型で持ち運び可能な材料として活用できるようにしていきたい。