デザインチャンピオンシップ2023受賞者発表

2023/11/04
  • 建築学部
  • 建築学専攻

建築学部主催で毎年行われるデザインコンペティション、Design Championship2023の課題発表会および受賞者発表が 、2023111日に実施されました。2023年は審査委員長に建築家?末光弘和氏を迎え、「開くことと閉じることを同時に満たす建築」をテーマに応募された50作品の中から、最優秀賞1件、優秀賞2件、佳作5件が選ばれました。

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最優秀賞

受賞者
末松拓海 細田雅人
建築学科3

受賞タイトル
内窓の家

作品概要
空間を伴った窓は暮らしに干渉し始める。この窓は壁であり、天井であり、床である。様々な位相で空間を貫く窓が場を作り、大きな空間をおおらかに区切る十字の内壁が室を与える。窓4 は、壁となり空間の抜けを操作し、天井となりリビングに木陰を作り、床となり個室を与える。窓の中に入ることもでき、そこは屋外とも屋内とも言い切れない。この家を作る八つの窓は、12³ ?の空間に立体的に場を作り出す。窓が作る家は、私たちの暮らし方を確かに変えるだろう。

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優秀賞

受賞者
半田洋久 田川歩知 菅田夏鈴
建築学科3

受賞タイトル
ハレとケの往来~「祭り」を介した地域共同体を作り出すコモンズ~

作品概要
どこにでもある郊外の街の日常に対する提案である。
私たちが常々思うこと、それは「郊外の街は閉じている」ということだ。 埼玉県久喜市にて、住宅街の中にひっそりと影を潜める山車倉庫に共的性質を与えて日常を陥入させることで、住宅街の中に日常と非日常が交錯する場所を作り出す。日常にも祭りにも、相互に影響を与え合い街の文化を作っていく愛着の地だ。1年という時間をかけて動的平衡を作り出す建築と場所は、そこに内包する両義性とともに、街へと浸透していく。

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受賞者
二渡杏 森日菜子
建築学科3

受賞タイトル
ヒンジと軸の向こう側

作品概要
「開く」と「閉じる」は同じ操作をするにもかかわらず、なぜ領域が分かれてしまうのだろうか?私たちは開口部をつくるから開いた空間が生まれるのではなく、閉じた空間をつくるから開いた空間との差を認識できるのではないかと考える。また扉を開いた時の軌跡は領域性を生み、閉じた空間が出現した。これが認知されることで扉以外の利用の仕方や新たな関係性が生まれるきっかけとなる。
4種類の扉を軸に開くことで生まれる閉じた空間をつくる手法を設計する。

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佳作

受賞者
井上啓夢 有田俊介
建築学専攻 修士課程1年

受賞タイトル
滲みだす音空間

作品概要
閉じられている音空間を曖昧に開くことで音が店先へと滲み出すレコードショップ。パン屋の香りに鼻が誘われる、服屋のディスプレイに目を奪われる、商業における店先空間の重要性は高い。しかし今日音空間は閉じられ中の様子、商品等は外からでは分かりづらい。そこで吸音材を積層したファサードを通して音楽を外へ滲ませ人々に音のウィンドウショッピングを提供する。音楽と環境音が混ざる有機的なファサードは音、人、物の集まるコミュニティの起点と成る。

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受賞者
後藤大輝 伊藤愛斗 金子智哉 山崎丈
建築学専攻 修士課程1年

受賞タイトル
開きの強制と共生

作品概要
壁体のように「閉」を建築において形成する要素は普遍的であり、故に「閉」は強制的に作り出されている。現代の冷暖房を使用する日々の生活では、建築は常に「閉」の状態のみになってしまい、住宅の大半は「閉」だけしか、建築における計画で強制をしていない。そこで私たちは生活のコアから移動しないと他の生活行動ができないという、ある一種の不自由な状態を作り出すことにより、建築内部で「閉」と「開」を常に満たす建築を提案する。

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受賞者
鈴木創 長倉怜平
建築学科3

受賞タイトル
涵養する慈母の家

作品概要
従来の建設された空間は垂直な構造によって特定の人物のための独占所有を可能にした一方で、他者や植物あるいは風や雨といった自然環境の動きすらも強制するようになった。建築の外に目を向けると大規模な宅地造成から生き残った斜面地では人が登ったり座ったり植物が生えていたり、パターン化された生き物の振る舞いがかつての豊かさを取り戻していた。斜めの構造により建築の表面を誰もが自由に振る舞える空間とし、再分配する。

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受賞者
海田亮祐 磯崎真緒
建築学科2

受賞タイトル
岩の雑居ビル

作品概要
本提案は、自分たちが過ごす空間を岩というワイルドなマテリアルで土を型枠にしながら高く作っていくことで「自由な空間」を都市に構築するものである。
土によって形作られた巨岩は、内部外部で様々なスケールで隙が存在する。人やもの、いきもの、環境は居場所を探索するように居場所となる隙を見つけ出しそこに適応してゆく。  人と自然が偶然性を持った空間の対話を生みながら使いこなしていくことで、機能主義な都市の枠から逸脱した自由な空間が構築される。

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受賞者
高橋光希 古川希 公文千尋
建築学科2

受賞タイトル
自然とともに暮らす。

作品概要
私たちは、自然に開いて人に閉じる建築を設計した。
場所は千葉県我孫子市の手賀沼沿いであり、自然豊かな一方、水質が問題になっている。そこで、手賀沼水を綺麗にすることも目指し、建築内に手賀沼の水を通して屋上の緑で浄化することで、水質改善に貢献できるようにした。
また、開いて閉じるを実現するために、三角形を活用した。手賀沼面はガラスとし、隣家同士の壁は斜めに閉じることで、自然に開きつつ、プライバシーが確保できるようにした。

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