高木颯さんが軽金属学会第144回春期大会にて優秀ポスター発表賞を受賞

2024/11/13
  • 材料工学専攻

受賞者
高木 颯 さん(材料工学専攻1年)

指導教員

芹澤 愛 教授(工学部)

学会?大会名
軽金属学会第144回春期大会

賞名
優秀ポスター発表賞

発表題目
Al-Mg-Si合金中のナノクラスタの形成に及ぼす転位密度および時効温度の影響

takagi

研究目的

近年、地球温暖化問題を背景に、自動車の軽量化に向けて鉄鋼材料からアルミニウム合金への代替が進められています。特に、アルミニウム(以下Al)にマグネシウム(以下Mg)およびケイ素(以下Si)を添加したAl-Mg-Si系合金は熱処理の温度や処理時間により最終強度が上昇,あるいは逆に低下することが知られています。これは,熱処理初期において異なる2種類のナノクラスタ(微小な溶質原子*の集合体)を形成することが影響しているためと考えられています。

本系合金の析出物は,転位(結晶中の欠陥)を利用することで,析出が容易となることが知られているものの,ナノクラスタの形成に及ぼす転位の影響は十分解明されていません。そこでAl-Mg-Si合金中のナノクラスタの形成に及ぼす転位密度および熱処理温度の影響を明らかにすることを目的として,研究を行いました。

*溶質原子 … 合金中に溶けている原子


研究内容

Al-Mg-Si合金を用いて,圧延を施したものと施していないものを用意し,室温および100℃の2つの温度条件で熱処理を施しました。その結果,圧延を施すことにより2種類のナノクラスタの形成が共に促進されることが分かりました。

今後の展望

ナノクラスタの形成挙動に及ぼす転位の影響について調査するとともに,2種類のナノクラスタの形成挙動の違いについても解明することで,新たな組織制御手法の開発が期待され,更なるアルミニウム合金の適用が見込まれます。