朝田有希子さんが日本金属学会2024年秋期講演(第175回)大会 ポスターセッションにて優秀ポスター賞を受賞
2025/01/16
- 材料工学専攻
受賞者
朝田 有希子 さん(材料工学専攻 修士2年)
指導教員
芹澤 愛 教授(工学部)
学会?大会名
日本金属学会2024年秋期講演(第175回)大会 ポスターセッション
賞名
優秀ポスター賞
発表題目
A6061アルミニウム合金上に水蒸気のみを用いて形成した耐食性皮膜が疲労寿命へ与える影響
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研究目的
構造材料の軽量化に貢献するアルミニウム合金では、耐食性向上のために表面処理が行われますが、処理時に有害物質を多く使用し環境負荷が高いため、クリーンな表面処理方法の開発が求められています。そこで私たちは、水のみを使用した、有害物質を一切使用しない表面処理技術(水蒸気プロセス)について研究を行い、アルミニウムの更なる利用拡大と環境負荷低減を目指しています。
研究内容
表面処理等によって表面状態を変えることにより、材料の寿命に影響が表れるケースが数多く報告されています。今回の発表では、さまざまな条件で水蒸気プロセスを行い、疲労寿命を評価することで、水蒸気プロセス皮膜は寿命にほとんど影響を与えないことを明らかにしました。
今後の展望
疲労特性は、構造材料へ安全に適用するために非常に重要な特性です。今回の調査を通して、水蒸気プロセス皮膜を厚く作製しても疲労寿命に影響を与えないことがわかりました。膜厚が大きければバリア性が向上し、さらなる高耐食性の実現につながります。この研究では、水蒸気プロセス皮膜が耐食性と疲労特性の両立を、低環境負荷で実現できる可能性を示すことができました。今後は成膜による疲労特性向上を目指して、皮膜に関する研究を進めていきたいと考えています。