白田悠斗さんが軽金属学会第147回秋期大会にて優秀ポスター発表賞を受賞

2025/01/16
  • 材料工学専攻

受賞者
白田 悠斗 さん(材料工学専攻 1年)

指導教員

芹澤 愛 教授(工学部)

学会?大会名
軽金属学会第147回秋期大会

賞名
優秀ポスター発表賞

発表題目
水蒸気プロセスを用いてAl-Mg-Si合金上に作製したAlO(OH)皮膜の耐食性に及ぼす高温酸化皮膜の影響

sirota

研究目的

近年、輸送機器の軽量化のため、鉄鋼材料をアルミニウム合金に置換する動きが進み、表面処理による耐食性の向上が必要不可欠とされています。従来の表面処理工程では、多くの場合有害な薬品を使用しますが、私たちが提案する新規表面処理方法である水蒸気プロセスでは、水蒸気のみを使用する環境負荷の少ない方法でアルミニウム合金の表面に耐食性皮膜を作製することができます。しかし、アルミニウムは活性な金属であり、表面処理せずとも非常に薄い酸化皮膜を自然に形成することがわかっています。そこで、酸化皮膜が水蒸気プロセスによる耐食性皮膜の作製にどのような影響を及ぼすか調べ、皮膜特性の向上を目的として研究を行いました。


研究内容

アルミニウム合金にマグネシウム(Mg)が多く含まれる場合、酸化皮膜にもMgが含まれてしまい、その上から水蒸気プロセスを施した場合、皮膜の耐食性が低下することを明らかにし、皮膜特性の向上のため酸化皮膜を除去する必要があることを明らかにしました。


今後の展望

水蒸気のみを用いた表面処理技術を確立することで、軽量なアルミニウムをより環境にやさしい方法かつ低コストで輸送機器に適用することができます。アルミニウム合金に含まれる元素に着目しながら酸化皮膜の影響を調べることで様々な種類の添加元素を含むアルミニウム合金に最適な方法で環境にやさしい表面処理を行うことができるようになると考えています。