伊藤辰弥さんが電子情報通信学会にてマイクロ波研究会?2024年度学生研究優秀発表賞(年間)を受賞

2025/04/11
  • 工学部
  • 情報通信工学科

受賞者
伊藤 辰弥 さん(工学部?情報通信工学科)

指導教員
田中 愼一 教授(工学部)

学会?大会名

電子情報通信学会

賞名
マイクロ波研究会?2024年度学生研究優秀発表賞(年間)

発表題目

新しい負荷変調の最適化手法により12dBバックオフ効率44%超を実現した2GHz帯SLMBA
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研究内容
電力増幅器の高性能化に向けて、今回はシーケンシャル型負荷変調平衡増幅器(SLMBA)に注目しました。SLMBAは、負荷変調と呼ばれる広ダイナミックレンジ化技術を用いることで高効率な特性が得られる一方で、その負荷変調を最適化するための特殊で複雑な設計が求められることが課題でした。そこで本研究では、負荷変調のメカニズムを解析し、ごく一般的で簡潔な手法によって最適設計を可能とする新たなアプローチを確立しました。

研究目的

5Gおよびポスト5Gの携帯電話基地局では、通信の高速?大容量化に伴い、消費電力の急増が深刻な課題となっています。特に、電力消費の大きいマイクロ波増幅器には、広帯域化、広ダイナミックレンジ化(幅広い入力電力レベルへの対応)、および高効率化といった、相反する複数の要求を同時に満たすことが求められます。そこで本研究では、これらの要求を満たす高性能な増幅器の設計手法の確立を目的としました。

今後の展望
本研究での成果により、次世代のスマートフォン通信や無線ネットワークに欠かせない省エネルギー型の電波増幅器を、効率よく設計できるようになりました。これにより、より快適で環境負荷の少ない通信社会の実現が期待されます。