中川 雅史 教授、阿部 慎二郎 さん、佐怒賀 翔 さん、齋藤 一男 さん、三代 雅博 さんが 応用測量論文集 第31巻 日本測量協会で応用測量論文奨励賞を受賞

2020/09/02
  • 土木工学科
【受賞者】
中川 雅史 教授(土木工学科)
阿部 慎二郎 さん(土木工学科4年)
佐怒賀 翔 さん(土木工学科4年)
齋藤 一男 さん(共同研究者)
三代 雅博 さん(共同研究者)


【学会?大会名】
応用測量論文集 第31巻 日本測量協会

【賞名】
応用測量論文奨励賞


【発表題目】
RTK-GNSS測位と幾何制約によるLiDARスキャンマッチング



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移動型3D計測システムは、移動しながら画像撮影やレーザースキャニングをすることで、広域の点群データを大規模に取得する計測装置です。測量分野で用いる移動型3D計測システムは、高い計測精度を確保するために、高精度LiDAR測距と多周波キネマティックGNSS測位、慣性航法の組み合わせが基本となります。各センサおよびハードウェアが非常に高価格であるため、計測システムがタワーマンションや一戸建てを買えるぐらいの価格となり、多様な測量現場で気軽に運用しづらい課題があります。国内の社会インフラの大部分を占める小規模な土木構造物の計測などで、高価格?高精度な移動型3D計測システムを利用することは、費用対効果がきわめて低くなります。そこで、自動運転で利用する低価格なセンサおよびハードウェアで計測システムを構成するとともに、構成するセンサ群の中で最も高価格となるIMUを省略し、計測方法とソフトウェアで測量精度を確保するアプローチを採用しました。計測システムの価格を軽自動車が買える程度へ抑えることで、小規模な土木構造物の計測に適した計測手法や、迅速な災害観測に適した計測手法の構築を目的としました。自己位置推定とマッピングを同時に行う処理であるSimultaneous localization and mapping(SLAM)をベースとし、小規模橋梁などを計測対象とした実験をとおして、高精度な3Dデータ取得とともに、従来型SLAMの課題である誤差蓄積問題をループ閉じ込みなしで解消できることを検証しました。
本研究に加えて、ウェアラブルデバイスやICT建機などの連携による計測手法も研究しています。これらを組み合わせることで、国内においては、地方の社会インフラ維持管理における技術者不足などの社会的課題を解決することに貢献する研究成果です。

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