国際的に特に優れた論文として酒井康徳助教が発表した論文がAdvances in Engineering社より紹介されました!

2020/10/27
  • 機械制御システム学科
機械制御システム学科酒井康徳助教の発表論文「Structural damper for auto-damping mechanical components」がカナダのリサーチ会社AIE(Advances in Engineering)社により、工学分野における優れた研究論文(featured paper)として選出され、ウェブサイト上で紹介されました。

AIE社は、主要な国際学術誌に掲載された論文から全工学分野における科学的にきわめて重要な論文を選出し(出版される論文のうち0。1%未満)、紹介しています。最新科学技術の知識をもとに民間企業などとのマッチング、コンサルティング事業も行っており、選出論文の国際共同研究などによる発展も期待されます。
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論文概要

Structural damper for auto-damping mechanical components

 機械システムで生じる振動は、制御不安定性や機能低下を引き起こす大きな要因となります。一般的に振動抑制用のダンパを構造物に取り付けますが、その設置箇所やダンパ特性の設計には様々な制約があります。本研究では、構造物内部に直接内包可能な「構造体ダンパP-DACS(Passive damper with anisotropic composite structure)」を開発し、その効果を検証しています。

 構造体ダンパP-DACSは、外形寸法を変えることなくダンパ特性を高い自由度で設計可能でることが特徴です。構造物内部に多数のP-DACSを任意の配向で内包させることで、様々な振動数で発生する振動に対して自己選択的に振動抑制効果を発生させられることを示しました。

 機械システムには、しなやかに変形してほしい方向と一切変形してほしくない方向とがあります。本ダンパは、ダンパの設計や内包時の配向条件を変えることで、構造物全体の変形方向を制御可能です。今後、宇宙機をはじめとする柔軟構造物や従来ダンパでは振動抑制が困難な微小狭隘部への適用を考えています。一方で、ダンパの設計や内包時の配向方向の設計指針を確立することが、今後の課題となっています。

Yasunori Sakaia、 TomohisaTanaka
“Structural damper for auto-damping mechanical components”
Structures Volume 24,April 2020, Pages 864-868
[DOI: 10.1016/ j.istruc.2020.02.012]

設計?製造システム研究室

機械制御システム学科

Advances in Engineering(AIE)
 

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