一條 大介さんが日本燃焼学会 第59回燃焼シンポジウムにてベストプレゼンテーション賞を受賞

2021/12/14
  • 機械工学専攻
【受賞者】
一條 大介 さん(機械工学専攻2年)

【指導教員】
斎藤 寛泰 教授(機械機能工学科)

【学会名】
日本燃焼学会 第59回燃焼シンポジウム

【賞名】
ベストプレゼンテーション賞

【発表題目】
Observation of Detonation Attenuation due to Metal Mesh by Using Optical Sensors
(光学センサーを用いた細孔金網による爆轟波減衰の観測)
受賞本文写真_一條さん
【研究目的】
2011年3月、福島第一原子力発電所で複数の水素ガス爆発事故が起きました。原子炉建屋内に、発生した水素がたまり、空気と混じって形成された大量の水素-空気混合気が着火してガス爆発し、上昇した圧力で原子炉建屋が破壊されました。我々の研究グループは、このような爆発事故被害を可能な限り低減するため、爆発火炎の効率的な消炎方法に関する基礎研究や、原子炉建屋のような大規模空間に適用可能な爆発減災システムの研究開発を行ってきました。ただし、システムの構成要素である爆発火炎を消炎させる装置は音速以下の燃焼波(デフラグレーション波)を対象としており、音速を超える燃焼波(衝撃波を伴う燃焼波で、デトネーション波と呼ばれます)に対しては未検討でした。

【研究内容】
水素-空気混合気を満たした配管内を伝播するデトネーション波(速度は2000 m/s程度)を細孔金網に入射させ、その後の減衰挙動を観測しました。圧力センサーによる衝撃波圧力と光センサーによる火炎発光の高時間分解?多点同時時系列計測の試みは新しく、観測法の提案と細孔金網でデトネーション波を減衰させるために必要な条件について報告しました。

【今後の展望】
低コストかつ技術的にも設置可能な爆発減災システムが確立できれば、原子炉建屋だけではなく、工場やプラントなど爆発危険性のある他の設備にも適用することが可能になると考えています。より信頼性のある爆発減災システムの実現に向け、関与する燃焼ダイナミクスを明らかにし、どのような燃焼波であっても確実に消炎させることができる爆発火炎の消炎装置を考案していきたいと思います。

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