吉岡 佑さんが情報処理学会 IoT行動変容学研究グループ キックオフシンポジウムで最優秀発表賞を受賞
2022/06/15
- 理工学研究科
【受賞者】
吉岡 佑 さん(理工学研究科2023年卒)
【指導教員】
菅谷みどり 教授(情報工学科)
【大会名】
情報処理学会 IoT行動変容学研究グループ キックオフシンポジウム
【発表題目】
「リアルタイム心拍計測とフィードバックによるアンガーマネジメントゲーム」

心拍データをゲームに活用することで、ゲームを通じて感情制御が得意になる方法を提案することに目的としました。
【研究内容】
心拍を用いた感情推定は幅広い研究で用いられるようになってきました。私は、感情制御(ストレスを抑制)をしないとクリアが難しい(難易度が上がる)ゲームを制作し、評価しました。その結果、実験協力者にはゲームを通じてストレスを抑制する能力の向上が示唆されました。
【今後の展望】
この研究ではアンガーマネジメントの手法をアクションゲーム形式に落とし込む事で、エンターテイメント性を持たせ、楽しみながら課題に取り組める様にという発想を元に行いました。元来のアンガーマネジメント手法は多大な手間と時間的拘束を伴う事が子供に対して大きな苦痛となりえるという課題を解決する為のものです。
更に生体情報を用いた定量的評価を取り込む事によってもう一つの課題である定量的評価の難しさの改善を図り、より正確な感情状態の把握?制御に貢献しました。
私はこの生体情報を用いたアンガーマネジメントゲームという考え方を発展させるべく、今後はより適した分析指標?実験環境。つまりは、ゲームシステム根幹の改善案の考案が必要となると考えています。
具体的にはニューロフィードバックトレーニングを参考にした実験の考案を構想しています。これは当人の脳波を提示する事で脳強化を促すトレーニングとされています。欧米では精神疾患の解決やアスリートのパフォーマンス向上といった効果が期待されての実用化の例も存在します。私の研究にこの領域の技術を取り入れる事が出来れば、より信頼性の高くエンターテイメントとしても幅広いアンガーマネジメントの実現に繋がると思われます。一例ではありますが”ただ遊び続けるだけで精神疾患の解決を図るゲーム”という風に、広域かつ実用的な行動変容を図る手法が現実になるかもしれないのです。
お問い合わせ
芝浦工業大学 企画広報課
〒135-8548 東京都江東区豊洲3-7-5(豊洲キャンパス本部棟2階)
TEL:03-5859-7070 / FAX:03-5859-7071
E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp