山口哲さん、的場日菜さん、中川雅史教授がThe 43th Asian Conference on Remote Sensing (ACRS2022)でStudent Awardを受賞

2022/11/08
  • 土木工学科



【受賞者】
山口 哲さん(土木工学科4年生)

的場 日菜さん(2021年度土木工学科卒業生)
中川 雅史教授(土木工学科)

【指導教員】
中川 雅史教授(土木工学科) 

【大会名】
The 43th Asian Conference on Remote Sensing (ACRS2022)

【賞名】
Student Award

【発表題目】
Anomaly Detection with Autoencoder for Concrete Deformation Extraction from Images






山口さん本文
【研究内容】
国民の安全?安心や社会経済活動の基盤となるインフラは、常にその機能を発揮させるために建設後も適切な維持管理が求められていますが、その点検調査対象は膨大かつ広範囲であるため、多くの時間と労力が必要です。日本国内においてはこのような課題が認識されており、コンクリートのひび割れ位置検出や変状抽出などを対象に、画像計測の適用が多く試みられてきました。近年では、ディープラーニングの適用が試みられていますが、従来型の機械学習と比較して、膨大な量の正常画像と異常画像を学習データとして整備する必要があります。そこで本研究では、日本国内のみならず、いまだ維持管理が課題になっていない地域においても将来的に点検業務の円滑に行うための学習データ整備の簡易化を目的として、正常画像のみを学習に使用する異常検知のアプローチをコンクリート変状の検出に適用する手法を提案しました。

橋台や護岸などのコンクリート面を対象とした検証実験において、異常領域のセグメンテーション、異常スコアの算定、ROC曲線とAUC、混同行列の4つの指標を用いることで、モデルの評価を行いました。評価の結果、提案手法により約90%の精度で異常検知ができることを確認しました。オートエンコーダよりも画像復元の性能が高いGANやAnoGANを適用することにより、異常検知の精度や汎用性を向上させる方法の検討を今後の課題としています。

国内の社会インフラは高度経済成長期に建設されたものが多く、高齢化?老朽化している土木構造物の割合が急増していることが社会的課題です。また、災害が多いことも国内の特徴であり、緊急災害観測技術の重要性は増しています。さらに、当学会が開催されたアジア地域を含め、近年経済成長がめざましい海外では、今後数十年でインフラの老朽化や少子高齢化が社会課題になることが考えられます。本研究に加えて、衛星観測や航空?UAV測量、地上レーザースキャニング、ウェアラブルデバイス利用などの連携による、多様な測量技術を組み合わせた手法を提案することで、上記の社会的課題を解決することに貢献します。

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