齋藤 一葉さんがGPS/GNSSシンポジウム2022で学生優秀研究発表賞を受賞

2022/12/01
  • 社会基盤学専攻



【受賞者】
齋藤一葉さん(社会基盤学専攻1年生)
共同研究者:川崎悠輔さん、武林正昭さん、藏重裕俊さん、

西村正三さん(計測リサーチコンサルタント)、
三輪昌史准教授(徳島大学)、中川雅史教授

【指導教員】
中川雅史教授(土木工学科)

【学会?大会名】
GPS/GNSSシンポジウム2022 

賞名】
学生優秀研究発表賞

【発表題目】
インフラ点検UAVに搭載する屋内外シームレス測位?測域機能の性能検証







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【研究内容】
国民の安全?安心や社会経済活動の基盤となるインフラは、常にその機能を発揮させるために建設後も適切な維持管理が求められていますが、その点検調査対象は膨大かつ広範囲であるため、多くの時間と労力が必要です。日本国内においてはこのような課題が認識されており、UAV(ドローン)の利活用が多く試みられています。特にUAVは、さまざまな視点からの構造物点検に優位性のあるプラットフォームであり、橋梁やダムの点検に利用する事例が増えています。しかしながら、測量用UAVは、安全な飛行を実現するために、GNSSを利用する高精度衛星測位(RTK-GNSS測位)で制御されるものであり、衛星測位環境に大きく依存するという特徴があります。そのため,衛星から送られてくる信号が遮断される橋梁の下側の空間などにおいては、安定した飛行制御ができないという課題があります。また、点検対象物との衝突を回避するために、小型?軽量?低消費電力?低価格?耐候性の高い測域機能の搭載も求められます。
そこで本研究では、橋梁の外側と下部空間の両空間においてUAVを飛行させるために、RTK-GNSS測位とカメラを用いる測位(Visual Odometry)を統合する屋内外シームレス測位機能を提案しました。また、Visual Odometryで生じる累積誤差問題を解消する手法を提案するとともに、Visual Odometryで利用する多方向ステレオカメラでの測域を並行処理化する手法を提案しました。橋梁を対象とした検証実験においては、提案手法が測位環境の高速認識と、測位モードの高速切換えを可能であることを検証し、UAVのPID制御に利用可能な屋内外シームレス測位ができることを確認するとともに、軽量なセンサシステムでのリアルタイムな測域ができることを確認しました。提案手法の機能を利用した撮影した位置情報つき高解像度画像をBIM/CIMデータとして利活用するシステムの構築を今後の課題としています。
国内の社会インフラは高度経済成長期に建設されたものが多く、高齢化?老朽化している土木構造物の割合が急増していることが社会的課題です。また、災害が多いことも国内の特徴であり、緊急災害観測技術の重要性は増しています。さらに,当学会が開催されたアジア地域を含め、近年経済成長がめざましい海外では、今後数十年でインフラの老朽化や少子高齢化が社会課題になることが考えられます。本研究に加えて、衛星観測や航空?UAV測量、地上レーザースキャニング、ウェアラブルデバイス利用などの連携による、多様な測量技術を組み合わせた手法を提案することで、上記の社会的課題を解決することに貢献します。

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