浅野　彰仁さんが日本原子力学会関東?甲越支部第16回学生研究発表会で奨励賞を受賞

【研究目的】
放射性廃棄物のうち放射能レベルの高いものは、地下300m以深の岩盤層に埋め、人間の生活環境から隔離する地層処分と呼ばれる方法で処分が行われることが検討されています。
このとき、放射性廃棄物は放射性物質の環境中への漏出を防ぐために人工バリアと呼ばれる核種移行遅延処置を施した上で処分が行われます。しかし、現在の人工バリアでは、陰イオンの放射性核種に対する効果が薄いため、陰イオン吸着材を用いることで移行遅延の向上を図ることが検討されています。そこで、本研究では地層処分環境を考慮し，複数の市販品吸着材による模擬陰イオン核種の基礎的な吸着特性の評価を行い，陰イオン核種の移行遅延性能に適した候補材の選定を行いました。

【研究内容】
吸着材の吸着性能評価のため、地層処分環境を想定した吸着試験を行った結果、2種類の吸着材で4種類の模擬核種のうち3種類で高い吸着性能を示すことが確認されました。
 
【今後の展望】
放射性廃棄物の地層処分は課題が多く、本研究においても高い吸着性能を示した吸着材においても1種類の模擬核種の吸着が確認されなかったことが課題として挙げられます。今後はさらに実環境に近い試験をすることで吸着材の実用性の検討や、新たな吸着材の検討など研究を進めていきます。