材料工学科芹澤教授が第20回日本学術振興会賞を受賞
- 研究
工学部材料工学科芹澤愛教授の第20回日本学術振興会賞受賞が2023年12月20日に発表されました。日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を表彰するもので、第20回は学術研究機関及び学協会から推薦された491名の中で25名が選ばれました。
併せて芹澤愛教授は科学技術振興機構「創発的研究支援事業」に採択を得ており、芝浦工業大学創発研究フェロー※の称号を付与されています。
※芝浦工業大学創発研究フェロー:芝浦工業大学において、創発的研究支援事業に採択され、優れた研究力を有すると認められた研究者が、研究代表者として活躍することを促進するために設けた称号付与制度
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授賞理由
「アルミニウム合金の水蒸気のみで実現する超低環境負荷プロセスによる多機能化」
(Super Eco-Friendly Steam-Derived Multifunctionalization of Aluminum Alloys)
芹澤愛氏は、軽量材料として様々な分野で用いられているアルミニウム合金において、時効析出初期のナノクラスタの3次元アトムプローブを用いた原子レベルの構造解析によって、100℃近傍で生成するナノクラスタが室温のそれとは異なり、強化相形成に重要な役割を果たしていることを解明した。これは、さらなる高強度化のための研究成果として高く評価された。得られた研究成果に基づき、水蒸気を用いた熱処理方法を提案し、表面皮膜形成による表面処理と内部微細組織制御を同時に実現することで、アルミニウム合金の耐食性が大幅に向上した。さらに、水蒸気プロセスを拡張することで、皮膜のアルミニウム合金との高い密着性を生かした疲労寿命の向上や光触媒機能の付与などの多機能化を実現した。
芹澤氏の考案したアルミニウム合金の水蒸気プロセスは極めて独創性が高く、超低環境負荷プロセスであることから、持続可能社会に貢献するプロセスとして当該分野における今後の発展が期待できる。
以上、独立行政法人日本学術振興会ウェブサイトより引用
日本学術振興会賞について
日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を見い出し、早い段階から顕彰することで、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的としています。
選考は、各分野を代表する我が国のトップレベルの学術研究者により構成される審査会で厳正な審査が行われ、受賞者を決定しました。
受賞対象者は、人文学、社会科学及び自然科学の全分野において、45歳未満で博士又は博士と同等以上の学術研究能力を有する者のうち、論文等の研究業績により学術上特に優れた成果をあげている研究者としています。