SDGs の実現を目指す新たな耐震補強技術が実用化されました
2021/05/24
- 研究
- プレスリリース
「CLTエストンブロック」が三重県尾鷲市役所本庁舎の耐震改修工事にて初適用
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尾鷲ヒノキのブランドを謳う尾鷲市の玄関を飾るにふさわしいデザインが施されています(設計施工:竹中工務店、写真提供:株式会社エスエス名古屋支店)
芝浦工業大学(東京都港区/学長 山田 純)システム理工学部環境システム学科 石川裕次教授(建築構造システム研究室)らが共同研究を進めてきた新開発部材のCLT エストンブロックが、株式会社竹中工務店の設計?施工による三重県尾鷲市本庁舎の耐震改修工事で初めて、CLTエストンブロック耐震壁(耐震補強用)として適用されました。
CLTエストンブロックは、株式会社竹中工務店、北海道総研?林産試験場および北海学園大学と共同で開発した部材です。
2017年から共同研究を進めてきましたが、この度竹中工務店によるCLTエストンブロック耐震壁の設計?施工によって実用化に至りました。
この工法は、既存のRC系骨組みに蝶々形のCLT(Cross Laminated Timber)をエポキシ樹脂系接着剤で積み上げ、柱梁骨組みの枠踏みに木質系耐震壁を構築して耐震補強を行う工法です。
同じく蝶々形のコンクリート製ブロックを積み上げて耐震補強を行う「エストンブロック工法」(2014 年に竹中工務店が開発。同社2014.07.31プレスリリース )と同じ設計原理を用いて開発。
今回尾鷲市役所の耐震改修工事に、竹中工務店が進める一連の木質系耐震補強技術の一つとして適用されました。
資源循環型材料であるCLTを用いた、来るべきSDGs(持続可能な開発目標)実現社会に対応した新しい提案です。
CLTエストンブロックは、株式会社竹中工務店、北海道総研?林産試験場および北海学園大学と共同で開発した部材です。
2017年から共同研究を進めてきましたが、この度竹中工務店によるCLTエストンブロック耐震壁の設計?施工によって実用化に至りました。
この工法は、既存のRC系骨組みに蝶々形のCLT(Cross Laminated Timber)をエポキシ樹脂系接着剤で積み上げ、柱梁骨組みの枠踏みに木質系耐震壁を構築して耐震補強を行う工法です。
同じく蝶々形のコンクリート製ブロックを積み上げて耐震補強を行う「エストンブロック工法」(2014 年に竹中工務店が開発。同社2014.07.31プレスリリース )と同じ設計原理を用いて開発。
今回尾鷲市役所の耐震改修工事に、竹中工務店が進める一連の木質系耐震補強技術の一つとして適用されました。
資源循環型材料であるCLTを用いた、来るべきSDGs(持続可能な開発目標)実現社会に対応した新しい提案です。
CLTエストンブロックとは
2017年から芝浦工業大学と竹中工務店、北海道立総合研究機構?林産試験場および北海学園大学が共同研究を進めてきた新開発部材です。重さは約4kgで、従来のコンクリート製エストンブロックの1/4程度です。
作業効率の向上が期待でき、作業環境の衛生管理に優れています。
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石川裕次,掛 悟史,井戸硲勇樹,福原武史,大橋義徳,石原亘,植松武是:蝶形ブロックを用いたCLT耐震壁の耐震性能に関する実験的研究(その1要素圧縮実験および実験計画),(その2実験結果), 日本建築学大会(北陸)学術講演梗概集, pp19-22, 2019.9
SDGsを実現できる木質材料に触れて体験し、耐震技術や防災を学ぶ教育を目指して
CLTエストンブロックに関する一連の研究?開発の最終目標について、研究を進める石川教授は次のように話しています。
CLTエストンブロックは、建物内に人がいても施工が可能な耐震改修工法です。
例えば耐震補強が必要な学校建築では在校生が卒業記念として、耐震補強を行い地産地消やSDGsを実現できる木質材料に触れ、SDGsを学び、地震国で重要な耐震技術や防災について自らの学校を耐震補強するという体験により学ぶ教育として実現することも、将来実現させたい一つの研究目標です。
例えば耐震補強が必要な学校建築では在校生が卒業記念として、耐震補強を行い地産地消やSDGsを実現できる木質材料に触れ、SDGsを学び、地震国で重要な耐震技術や防災について自らの学校を耐震補強するという体験により学ぶ教育として実現することも、将来実現させたい一つの研究目標です。
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本研究のSDGsへの取り組み
多くの国内森林資源を有効活用し、資源循環型材料を用いた耐震補強の新たな工法を研究?開発
林業の活性化と耐震補強における技術革新の基盤を築いた
林業の活性化と耐震補強における技術革新の基盤を築いた
老朽化した建物を解体せずに耐震改修工事を施し、建物の長寿命化を図った
地域の資源である尾鷲ヒノキを活用
地域の産業や文化を継承し、市民に愛される庁舎にリフレッシュさせた
地域の産業や文化を継承し、市民に愛される庁舎にリフレッシュさせた
化石燃料による資材に頼らず、資源循環型材料を適用することでCO2 排出量の削減に努めた
豊かな森林を育むために必要な間伐材の伐採で生じる材料を有効活用するCLTで、豊かな森林を守ることができた
本工法の提案、構造実験の実施を通じ、SDGs達成を踏まえた設計施工を実現させた竹中工務店と共同研究を実施
CLT エストンブロックの製造および各種材料試験の実施を行った道総研?林産試験場および北海学園大学とのパートナーシップにより、SDGs達成につながる研究成果を得ることができた
CLT エストンブロックの製造および各種材料試験の実施を行った道総研?林産試験場および北海学園大学とのパートナーシップにより、SDGs達成につながる研究成果を得ることができた
そのほか、芝浦工業大学のSDGsへの主な取り組み
CLTエストンブロックを適用した耐震改修工事の概要
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耐震改修前(写真提供:竹中工務店)
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耐震改修後(写真提供:株式会社エスエス名古屋支店)
建物名称 |
尾鷲市役所本庁舎 |
所在地 |
三重県尾鷲市中央町10 番43 号 |
建物概要 |
地下1階 地上3階 |
構造 |
鉄筋コンクリート造 |
設計 |
?中?務店 |
施? |
?中?務店?丸昇建設特定建設?事共同企業体(JV) |
施工状況
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参考
竹中工務店2021.04.21プレスリリース建築構造システム研究室
お問い合わせ
芝浦工業大学 企画広報課
〒108-8548 東京都港区芝浦3-9-14(芝浦キャンパス2階)
TEL:03-6722-2900 / FAX:03-6722-2901
E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp