半田洋久さんが建築学縁祭 ?Rookie選? 2023にて最優秀賞を受賞

2023/10/16
  • 建築学部

【 受賞者 】半田洋久 さん(建築学部 建築学科 SAコース 3年)

【 指導教員 】原田真宏 教授,(建築学科)、庵原義隆 先生(非常勤講師)

【 学会?大会名 】建築学縁祭 ?Rookie選? 2023

【 賞名 】最優秀賞

【 発表題目 】清澄アーカイブス

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1/150模型 全体写真

【発表目的】
本提案は、東京都江東区清澄に新たな図書館を計画するというものです。図書館という建築を考える上で、従来の堅牢なイメージによって作り出される図書館像は、敷地にも時代にも合っていないと感じました。清澄の風景を作っており、その表情は地域に愛されているものの、現在は空洞化してしまった「旧東京市店舗向住宅」に焦点を当て、その場の質の模索と建築の改修行為から、清澄に相応しい図書館を検討しました。

handa02_shikichi2023.06.13 筆者撮影 旧東京市店舗向住宅
 

【発表内容】

「旧東京市店舗向住宅」は、元々は1928年に旧東京市により、関東大震災の復興住宅として建設されたアールデコ調の装飾が施されたRC造の長屋でした。しかし、1953年に一部が住人に払い下げられ始めたことにより、各々の自由な増改築が行われ、2023年の現在は個人の記憶の集積として形を変えながらその姿を残しています。その特殊な背景と存在は、既に個人の所有という領域を超え、街の記憶でもあります。現在は、払い下げ時のトラブルにより、建物が取り壊された空地がある他、また所有が東京都となっている建物と個人の所有なっている建物が混在していることを理由に管理が行き届かず、置きテナントが増え、建築の廃墟化、退廃化が進んでいます。多くの時間を溜め込んできたこの建築を計画地として、空洞化してしまった内部空間を再編します。徐々に地域へと開いていく過程を経て、新たに街をアーカイブする存在へと生まれ変わる。この場所と共にあり、この場所に根付き、この街を理解する手がかりとなる建築を、この場所に適した図書館として提案します。

この建築は、街が、住人が、その地が、そして設計者の私が、自らの世界をアーカイブする所作である。

handa03_11/40模型 内観写真1
handa03_21/40模型 内観写真2
handa03_31/40模型 内観写真3

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芝浦工業大学入賞者集合写真

 
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