半田洋久さんが建築新人戦2023にて8選に選出されました
- 建築学部
【 受賞者 】半田洋久 さん(建築学部 建築学科 SAコース 3年)
【 指導教員 】原田真宏 教授,(建築学科)、庵原義隆 先生(非常勤講師)
【 学会?大会名 】建築新人戦 2023
【 賞名 】8選
【 発表題目 】清澄アーカイブス
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|前パートはこちら|
前パートにて、図書館という建築はどうなっていくか、ということに重きを置きながら提案の概要をまとめました。また、それ以外にも、敷地の調査を大事にしています。
現在はいわゆる「カフェの町」というイメージが定着している清澄白河ですが、その表層的なブランディング的イメージによって旧東京市店舗向住宅が延命した(新たにテナントが廃止、取り壊しが延期になった)という背景も持っています。街の人々は、どのように街を認識しているのか。そんな疑問をもとに、リサーチを行っていきました。私の願いはこの建築を介した街と人との関わりを作り出すことです。そういった、街と建築の接点のような建築の存在価値を探求しています。
こうして出来上がった建築は、確かにその変遷に乗り、過去から地続きになった設計となりました。これらが作り出す空間は、これまでの痕跡を受け継いだ、ノスタルジーを発現するものになると確信しています。これは、清澄白河という敷地にあったスケール感、空間のイメージを作り出すために、あえてリノベーションという手法を選んだ結果でもあります。
これらをまとめます。分解すると、本提案は3つの思考によって支えられています。
?図書館というビルディングタイプは今後どうなるか
?街の結節点としての公共建築と場の質
?リノベーションとはどうあるべきか
課題から現れた問い、敷地にある風景と調査、作ったものから新たに現れた問い。最初に自身で決めた1つの「アーカイブ」という大きな主題の中で、それら3つをぐるぐると行き来する中に今回の提案の全体性が『清澄アーカイブス』という1つ姿を現しました。僕の様々な思考の中に生まれた1つの提案を、見てくれた人が思い思いの方向に思考を展開してくれたら良いなと思います。
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新人戦会場の展示風景1
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【受賞コメント】
設計課題の課題文が渡されてから、その課題すらも疑い、自分なりの問いに発展させて、課題の講評会を超えた後でも立ち現れた問いに対して向き合い続けました。僕が信じた建築の可能性が大学という枠を超え、国内最大規模の建築コンペで評価をいただけたことに嬉しく思っています。いろんな考え方があります。1人でいるのが好きだという人も、みんなでいるのが好きな人も、1人でいるのが好きだけどたまにはみんなでいたい人も。みんなにとって何が正しいのか、何が価値のあることか、それを突き詰めて考えるのはとても難しいことだと思います。しかし、今回の夏休みにこのコンペに取り組んだ期間は、少しだけ、世界の解像度を上げることができたかな、と思っております。
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余談ですが、本学からの建築新人戦登壇は13年ぶりだったと聞き驚いています。これを機に、僕らの代と同じように建築学縁祭, 建築新人戦に挑戦しようと決断する後輩が現れ、続いてくれたら嬉しいなと思っています。僕も熱のある先輩に刺激を受け、たくさんお世話になってきたからこそ今の自分と今回の成績があります。今度は自分の番が回ってきたのかなと、最近はそんな実感があります。芝浦工業大学が、炎の絶えない場所であれば良いな。僕もそんな一端を担えるようこれからも邁進していきます。
芝浦工業大学入賞者集合写真
建築新人戦2023 公開審査会 YouTube
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