斉藤健一さんが第61回燃焼シンポジウムにて優秀プレゼンテーション賞を受賞
2023/12/06
- 機械工学専攻
【受賞者】
斉藤健一(理工学研究科/機械工学専攻1年)
【指導教員】
斎藤寛泰 教授(機械機能工学科)
【学会名】
第61回燃焼シンポジウム
【賞名】
優秀プレゼンテーション賞
【発表題目】
ろ紙上の高粘度流体塗布パターンと燃え拡がり抑制効果
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【研究目的】
近年、世界的に森林火災が増加傾向にあり、短期間に生態系が破壊され、大気中へ大量のCO2が放出されています。このような大規模火災に対する消火方法として、航空機による放水消火が行われています。しかし、放水された水は容易に微粒化して運動量の小さな液滴になるために火源への輸送が困難となったり、可燃物表面から早々に蒸発し、再燃?延焼抑制効果が期待できなくなったりするなど、迅速消火の達成には多くの問題点があります。これらの問題を解決する手段として高粘度流体やゲルを利用した消火方法が検討されています。本研究は、高粘度流体を可燃物や火源へ輸送する方法や、高粘度流体の付着による可燃物上の着火?燃え拡がり抑制の効果を明らかにし、迅速消火を達成するための「消火戦略」の確立を目的としています。
【研究内容】
本研究では、高粘度流体散布による延焼抑制の効果を検証するため、熱的に薄い可燃物(ろ紙)表面の高粘度流体塗布パターンがろ紙上の燃え拡がりに及ぼす影響を検証しました。ドット状など様々なパターンで高粘度流体を塗布できる方法を新たに考案し、ろ紙の一端に着火した後の燃え拡がりをデジタルカメラで多方向から撮影し、塗布パターンやろ紙の設置方向が消火確率、延焼抑制効果に及ぼす影響を明らかにしました。
【今後の展望】
高粘度流体を離散的に塗布しても十分な延焼抑制効果が得られることは、少ない消火剤であっても相応の延焼抑制が期待できることを意味しています。今後は、同様の実験を継続し、より効果的な散布条件について検証を続ける予定です。また、延焼抑制のメカニズムについて、理論的な考察を行いたいと考えています。