半田洋久さんが歴史的空間再編コンペティション2023にて準グランプリを受賞
- 建築学部
【 受賞者 】半田 洋久 さん(建築学部 建築学科 SAコース 3年)
【 指導教員 】原田 真宏 教授(建築学科)、庵原 義隆 先生(非常勤講師)
【学会?大会名】歴史的空間再編コンペティション 2023
【賞名】準グランプリ
【発表題目】清澄アーカイブス
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受賞おめでとうございます。本作品について教えていただけますか?
実は本作品は外部のコンペでは3度目の受賞になります。作品の概要やそこに込めた想いみたいなものは以前の記事に載せていただいているので、そちらを読んでいただけると嬉しいです。
特に中身については変わっていません。夏休みにやりきれなかった部分の細かい修正程度に留まってしまいました。しかし、大きな違いとして、模型の展示空間の規格が広がったため、新たにずっと作りたかった1/1000敷地模型を1つ追加で作りました。それがあることによって、より街と建築がどのように関わっているのかが新たに可視化されたと感じています。また、僕のメインの模型は全長1.8mもあったため、一列に並べて展示することが過去一度も叶いませんでした。しかし、これも展示空間が広がったことで、3つ目のコンペにして初めて1列に並んだ状態で展示することができるようになりました。並べて展示した姿は想像より圧巻でとても嬉しかったです。
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今回の「歴史的空間再編コンペ2023」では新たにどのようなことが見えてきましたか?
コンペに参加すること自体も悩んでいました。建築学縁祭2023と建築新人戦2023にて、十分過ぎるくらいの評価をいただいていたため、もう評価を求める必要はないと感じていたためです。しかし、審査員の方々に今まで作品を見てもらった方が一人もいないことや、お会いしたい建築家がたくさんいらしたこと、審査基準が今までとは決定的に異なっていることなどがあり、出した方がいいと考えエントリーに踏み切りました。
特に、直接お話しいただいただけで累計18人の審査員に見ていただきましたが、本当に審査員の数だけ評価基準があり驚きました。その審査の空気感、議論の行方などが全く異なり、非常に多様でセンシティブなものなのだなと、改めて実感しました。
また、「歴史的空間再編」という評価基準が明確に据えられていることから、これまでのコンペとは議論の起こり方が全く異なりました。新たな審査基準が生まれると、今まで気にしていなかったような言葉がポンと生まれたり、審査会も新鮮さがありました。
1日目の巡回審査を経て、2日目のファイナルに使用するプレゼンテーション資料を前日に徹夜で作り替えました。差し替えが可能だったため、巡回審査が想像以上に密だったため、プレゼンではもっと別に言うことがあるのではないかと考え、前日に覚悟を決めて徹夜に踏み切りました。なかなかシビアな挑戦で、プレゼンもホテルを出なくてはならいない数分前に完成したため、酷く憔悴していましたが、結果的には作り替えたことで、今までにできなかったリラックスしたプレゼンができたのではないかなと思っています。ライブ配信を見ていてくれた友達にも「わかりやすかった、びっくりした!」と言ってもらえて嬉しかったです。また、前日の夜に急遽プレゼンの相談に乗ってもらった友達にはとても感謝しています。
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審査委員長の魚谷繁礼さんより賞状とトロフィーを受け取る
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受賞コメントのシーン
- 今回のコンペでの印象的なエピソードはありますか?
- 嬉しかったことで言うと、このコンペは修士2年生まで参加できるコンペなんです。そして、卒業設計も応募することができる。そんな過酷なコンペの中で学部3年の自分が準グランプリを獲得できたのは、大きな自信につながりました。キツかったことで言うと、模型の運送代をケチろうと目論み、会場に直接模型箱を運び込もうと、キャスターのついた模型箱を制作しました。箱を作った時点では天才的なアイデアだと思っていたのですが、しかし蓋を開けてみると搬入当日は雨が振っており、風も強く、会場まで辿り着けないことすら覚悟しました。新幹線も立ち席になってしまい、金沢駅からもタクシーにもバスにも乗せてもらえず、徒歩40分の道を1時間半以上歩いて雨の中会場まで行く羽目に。結局東京から6時間以上かけて会場にたどり着けましたが、本当にしんどい思いをしました。皆さんも模型搬入をする際は変なことを考えず、素直に運送会社さんにお願いしましょう。
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金沢駅から雨の中徒歩で運送した時の写真
外部のコンペに積極的に挑戦されていますが、今後の展望などを教えてください。
今後も引き続き、コンペには参加しようと思っています。クリティークの場は第一線を走りながら活躍されている建築家さんと自分の設計について議論する最高の機会だと思います。3つのコンペを通して、以前の自分では信じられないくらい大きな成長することができました。見えなかった世界もいくつかは見えるようになったのではないかなと考えています。しかし同時に、コンペ自体が目的にならないようにも注意したいと思っています。自分が信じる建築観や追い求める風景を見つけ出すことが大事なことであり、あくまでも結果は副産物であると。それを忘れずに今後も制作や学習に励もうと思います。