山口哲さんがWEBCON11, Asian Conference on Remote Sensing 2024にてWEBCON11 BRONZE PRIZEを受賞
- 工学部
- 社会基盤学専攻
- 土木工学科
受賞者
山口 哲 さん(社会基盤学専攻 2年生)
チームメンバー:
長坂 新 さん(社会基盤学専攻 2年生)
重藤 李佳子 さん(社会基盤学専攻 2年生)
石塚 健太 さん(土木工学科 4年生)
石渡 誠 さん(土木工学科 4年生)
高橋 悠理 さん(土木工学科 4年生)
指導教員
中川 雅史 教授(工学部)
学会?大会名
WEBCON11, Asian Conference on Remote Sensing 2024
賞名
WEBCON11 BRONZE PRIZE
発表題目
Smart Trash Box: Trash box management system using remote sensing technology
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WEBCONは、空間情報を利用したWebアプリのコンテストで、International Society for Photogrammetry and Remote Sensingの教育部会が発足させたものであり、Asian Conference on Remote Sensingの中で2011年から継続的に実施されています。
中川研究室では、第1回WEBCONから参加しており、「WEB検索画像をナビ経路に沿って並べ替えるスライドショーシステム」や「夏休みの宿題を忘れていた小学生向けの空間データを利用した絵日記自動作成システム」「高精度慣性航法装置を利用した筋トレ量のカウンタ」など、多くの受賞実績があります。
35歳以下の学生?研究者に参加資格があり、受賞者には賞金も授与されます。今回は、Survey departmentの研究者や博士学生、修士学生など、スリランカや台湾、日本から計8チーム(Makers)が参加しました。
WEBCONのプログラムは、1チーム10分のプレゼンテーションと、90分のデモンストレーションで構成され、Makersから下記の提案がありました。
1. Development of Web-Based Metadata Service for Geospatial Data
2. One Globe, Endless Check-ins
3. Smart trash box: Trash box management system using remote sensing technology
4. Smartphone Application for Detecting and Visualizing Ganoderma Disease Stages in Oil Palm
5. Islands in Flux, Life Thriving Continuously
6. Camera-based weight estimation system
7. Digital Twin Urban Flood Forecast and Navigation System
8. Using Open-Source Tools to Build a Sophisticated Spatial Application and Database – A Case Study on School Locator System
提案した内容は、「ゴミ捨てのデジタルツイン」です。ゴミ箱がいっぱいになったときを最適なゴミ収集のタイミングとしてゴミ収集者に通知する機能や、誰がゴミを多く捨てたかというデータの収集機能を構築し、デモを実施しました。ゴミ箱の中の3D計測は、固定基線ステレオカメラを利用したデプスマップ生成およびデプス差分処理を適用し、ゴミを捨てた人の認識は単眼カメラとYOLOを利用した人物認識を適用しました。データ蓄積や通知機能の構築では、MySQLとNode.jsを組み合わせました。これらの手法や処理は、都市の広域?高分解能?高頻度観測に関する修士研究において開発しているものを組み合わせています。このアイデア提案とデモンストレーションの目的?背景は、人手不足な社会問題への解決策の技術提案や、SDGsに対応する再生資源管理の技術開発です。画像計測や3Dデータ処理の技術開発の面での今後の課題は、ゴミ箱の中のセマンティックセグメンテーションなどが挙げられます。
本コンテストの成果は、デジタルツイン基盤の実現のみならず、社会インフラの高度化?維持管理に活用できる可能性があります。国内の社会インフラは高度経済成長期に建設されたものが多く、高齢化?老朽化している土木構造物の割合が急増していることが社会的課題です。また、災害が多いことも国内の特徴であり、緊急災害観測技術の重要性は増しています。
本研究に加えて、衛星観測や航空?UAV測量、地上レーザースキャニング、ウェアラブルデバイス利用などの連携による、多様な測量技術を組み合わせた手法を提案することで、上記の社会的課題を解決することに貢献します。