女性研究者紹介
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女性研究者インタビュー
各画像をクリックしてください。8つの研究分野
健康?医療?環境
日本の平均寿命は世界でも上位に入り、日本は世界の誰もが経験したことのない高齢化社会を迎えようとしています。一方で、世界では小さな子ども達が地域紛争、飢餓などの厳しい状況下で健康を害されているのが現状です。世界中どの地域でも等しく適切な保健衛生の維持あるいは医薬治療の提供を可能とするためには未だ国内、国外を問わず大きな課題があります。このような状況のなか、最先端の生命科学、空間情報科学が異なる分野と融合することで新たな課題解決技術が生み出されています。
ICT(情報通信)
情報通信分野は20世紀初頭から発達した比較的若い学問でありながら、今や現代社会において生活に欠かせない社会基盤技術を提供する分野です。 世界経済において金融市場は言うまでもなく製造業からサービス産業まであらゆる産業において情報通信技術が利用されています。自動車の制御も手にある携帯端末の制御も情報通信技術が支え、また、なにげなく利用している電化製品の多くを人がより使いやすくなるように情報通信技術による工夫が施されています。目には見えない多数のプログラムが私達の世界を動かしています。
電気?電子
電気は、電子の移動や相互作用によって生まれる物理現象です。物質の最小単位である原子は、原子核とその回りを回っている電子から成り、原子核は+、電子は-の性質をもつ素粒子でした。電気は、ものを動かすなど仕事をする力となります。コンピューター、テレビ、電話、家庭用電気製品、自動車、電車、船舶、飛行機、医療機器、各種の製造設備、ロボット、通信衛星等々、今や私たちの日常の暮らしも社会も、発電所から送られてくる電気の力を利用することを前提に成り立っています。これらはすべて電気とそのもとである電子の研究、技術開発が生み出してきたものですが、エネルギーの基盤(産生?転換?制御等)、温暖化対策等地球環境、人々の安全で快適な生活、医療等、電気?電子に関する研究、技術開発が貢献?活躍すべき課題は拡がるばかりです。
ものづくり?デザイン
日本の製品が優れていることは、我が国の自動車メーカーが世界一位の売り上げであるように、世界から一目おかれています。日本製品は優れた機能を持ち、故障率は低く、利用するにあたってデザイン性も優れていると評価されることもしばしばです。世界一のものづくりを可能とするデザインや材料へのこだわりが明日の日本の活力となります。この原動力は単なる経験や勘ではなく、学問として体系づけられ、さらに優れた製品を生み出しています。
基礎科学(数学?物理?化学)
数学は学問の母であるとは良く聞く言葉ですが、基礎科学は工学の発展を生み出す原動力です。ものづくりを確実にするためには、数学的なアプローチ、物理学や化学の理論、実験による裏付けが必須です。基礎科学は今までにない新しい理論を創出することで、次世代の工学技術を生み出す可能性を秘めています。20世紀末に飛躍的な発展を遂げた暗号技術は数学の基礎理論の上に成り立っています。宇宙の起源の解明から社会の変革まで、基礎科学は常に解を求めています。
建築?都市
グローバル
世界の動向は一瞬にインターネットに流れます。多くの情報が従来のマスメディアを通じるだけでなく、様々な立場の個人、グループから発信されています。海外の動向が日本に与える影響は大きく、社会で活躍するにあたっては、異なる文化の理解、さまざまな人とのコミュニケーション能力が要求されます。さまざまな地域、文化が存在するなか、人種、宗教、法律などあらゆる多様性を理解しながら、母国語のみならず多様な言語を駆使し、グローバルな視点から考える力、伝える能力が、これから一層必要となります。
人間社会
人は一人では生きていけません。現代社会は、さまざまな人が繋がることで、成り立っています。工学技術、科学技術が社会において適切に利用されるためには、人とは何か、生活とは何か、人と社会の繋がりとはなにかを理解し、よりよく生きるために必要な技術を見極めることが重要です。 工学、科学技術の発展は社会を豊かにする一方で、多くの人命を損なう可能性も秘めています。地球で生きる一人一人が、生きることへの理解を深め、新たな技術を生み出すにあたって倫理的な洞察、判断が求められています。
メッセージ
21世紀社会を羽ばたく力
変化の速い21世紀という時代
私達が暮らす社会は常に変化しています。人々の暮らしは、その生きている時代の技術に大きく左右されてきました。多量の知識の複製を可能とした印刷技術の発達、それまでの手工業から大きく生産体系を変革させた産業革命、今やそれなくては過ごせない電灯など、工業技術の発達が社会の在り方さえも大きく変革してきました。そして、現代社会は人類が今まで経験したことのない速さで変化しています。21世紀の幕開けは、インターネットの普及に加え、携帯電話、スマートフォン等の個人通信機器の普及で始まりました。わずか10年の間に、日本の人口の95%以上の人が一人一台の携帯端末を保持するに至っています。つまり、ほとんどの人がいつでもインターネットを通じて情報を得たり、発信したりすることが可能な社会となったわけです。世界の片隅で起きた出来事を、ほんの数分の間に世界中に伝えることが可能な社会、それが現代です。
グローバル化、多様性、技術の融合がキーワード
現代社会は、工学技術の発展が人々の生活の中に深く浸透し、社会の動向に直接影響を与え、よりよい社会の発展を促す核であると同時に、従来は地域の課題であったものを全世界へと広げる原動力ともなっています。遠くアフリカ大陸の感染病の情報が数日で全世界に伝わる、アラブのごく狭い地域の紛争がインターネットを通して国を揺るがす民衆の運動となる、ヨーロッパ地域の通貨不安が全世界経済へ影響を与えるなど、21 世紀社会はグローバル化、異なる文化、国の多様性というキーワードのもと、最先端の工学技術によってその発展が支えられています。 最も身近にある携帯端末を例にとっても、小型軽量化のための材料工学、省電力化のための電子工学、電気工学、処理高速化、高機能化のための情報工学、通信工学から、携帯端末そのものの使いやすさのためのデザイン工学の技術がつぎ込まれ、また最先端の医療工学でえ も携帯端末上のアプリケーションソフトに生かされています。このように、手の平に収まる小さな機器は、さまざまな現代工学技術が融合した結晶と言えるものです。遠く小惑星から帰還したはやぶさ1号を例にあげるまでもなく、世界最先端の科学を支える工学技術は同時、 私達が生きている社会を支える基盤技術であり、互いに結びつき、融合、共生することで、思いもかけない発展、進化をとげます。そして今、地球レベルで課題となっている、環境問題や資源や食糧の枯渇問題、高齢化社会への対応など、持続可能な社会へ向けての取り組みへは、こうした大きな枠組みでの科学技術の発展が不可欠なものとなっています。
人に寄り添う技術を求めて
芝浦工業大学には、現在多く女性教員が在籍し、他分野の技術と融合しながらそれぞれの専門分野での研究に取り組んでいます。巻頭では、専門性の異なる女性研究者のインタビューを紹介しています。後半ではすべての女性教員が現在取り組んでいる研究について、「私達が生きる社会をどのように支え、問題を解決し、新たな発展を目指しているか」という観点から紹介いたします。
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